不登校の朝
毎日、寝る前に「明日こそは学校に行かなきゃいけない」と思って目覚ましをかける。
次の日、目覚ましがなったタイミングで 起きれる時と 起きれない時がある。
その後、お母さんが用意してくれたご飯を食べる。
皆が出かけるのを見送って もう一回寝る日もある。
〝制服を着る事〟に少しの勇気が必要だ。
制服を着てからも時間を見ながら 〝家を出る事〟に勇気を使う。
遅刻をしたくはないけれど、沢山の生徒が歩いてる中に一緒に歩くことは出来ない。
時間には遅れてしまうけれど、通学路に人が居なくなるくらいのタイミングで家を出る。
家を出た後も、近所の人の目を気にしながら歩かなくてはいけない。
家を出てすぐ同じ制服を着た顔も名前も知らない男の子に気づく。
すぐ様、物陰に隠れてやっぱり今日は無理だと引き返した。
すごく悲しかったし、悔しかった。
こんなことも出来ないのかと。
私はLv1の勇者にすらなれないんだと。
こんな簡単なミッションも私にはクリアできないんだと。
遅刻する時間だと言うのに急ぐことも無く怠そうに歩いていたあの男の子が、私にはLv100くらいの勇者に見えていた。