母と娘のバトル①
ある日、娘が
「お腹が痛いから学校へ行きたくない」
と言った。
その日は 持久走大会の日だと知っていた。
「行きなさい」とは言うものの、お腹が痛いというなら仕方がない。
娘が走ることを得意としてないことは分かっていたし、半分仮病だろうと気付いていたけれど休むことを容認した。
私も働いているので、朝から娘と揉めてられない。
「明日は何でもない顔して学校へ行くだろう」
そう思って仕事へ出かける。
帰ってくるとやっぱり何でもなかったように私を迎える。
何気ない日常だ。
いつものように眠って いつものように起きた。
翌朝、娘は
「お腹が痛いから学校へ行きたくない」
と言った。
今日は持久走大会の日でもないし行きたくない理由がわからない。
「そんなこと言ってないで行きなさい」
一回休んで味をしめてしまったのか、うずくまったままピクリともしない。
「遅刻するわよ」
あぁ、そんなこと言っている間に私が会社に遅刻しそうだわ…!
「ちゃんと行くのよ!!」
うずくまったままの娘に声をかけて家を出る。
私は正社員として普通に働いているため、娘より少し早く家を出ないと間に合わない。
私がいなくなれば、なんだかんだで学校へ行くであろうと思った。
けれど、娘は学校へは行かなかった。
……②へ続く