母と娘のバトル⑤
その頃小学校では、中学受験のムードが高まっていた。
学校に行く時間を受験勉強に当てているお友達もいた。
私も、そういう事にした。
母も、そういう事なら 納得してくれた。
お昼に家庭教師の先生に来てもらい、自宅でつきっきりで勉強を見てもらった。
そうすることで、確かに偏差値は伸びていったし 分からないところが どんどん分かるようになった。
家庭教師の先生は 気のいいお母さんのような人で 私は結構好きだったし、時間があっという間に過ぎていくので充実感もあった。
学校へは相変わらず、行ったり行かなかったりのまま……
それでも、もう毎朝 揉めるようなことはなかった。
1月の後半辺りからは、クラスの人数が半分になった。
受験の日はとても寒く雪が降る中、塾の先生が応援しに駅まで来てくれたことを今でも覚えてる。
合格発表は家のパソコンでみた。
自分の番号があった時は何度も確認した。
自分の番号が無かった時も同じように何度も確認した。
『あぁ、コレでもう勉強しなくていいんだ』
合格した事実より、今までの全てが終わったという事の 達成感や安心感を感じた。
小学4年生から約3年間の受験勉強はこうして幕を閉じた。
学校へ行くと皆 進学先の学校の話ばかりしている。もちろん、私も同じだった。
制服も可愛くて偏差値もそこそこと引け目を感じることはあまり無かった。
それでも、今まで一緒に過ごした仲間とも言える友達と離れ離れになるのはやっぱりどこか寂しかった。
………⑥へ続く